電子顕微鏡による化学組成分析
電子顕微鏡を用いた岩石試料等の表面分析を行うと、単位の異なるいくつかの分析結果が得られる。これらの関係について記す。
主に算出される項目は
1. atomic %(原子数濃度)
2. element wt%(各元素の質量%)
3. oxide wt%(各元素の酸化物の質量%)
の3つである。
1.のatomic%は原子数比なので、モル比である。従って、atomic%の比率から対象鉱物の化学式を推定することができる。
(例)atomic%
Mg 2%
Si 14%
Fe 27%
O 57%
上記の分析結果から各元素のモル比はSi:O:(Mg+Fe) =1:4:2なので、(Mg+Fe)2SiO4という化学式で表されるかんらん石(olivine)であることがわかる。
2. 3.はそれぞれ元素毎の重量濃度%である。重量濃度%は各原子(or 分子)量にモル比をかけ算してやり、全体を100%換算してやることで求める事が出来るので、1,2,3のどれかがわかっていれば、残りの2つを計算することができる。
(例)原子数濃度が分かっている場合
element% = (原子量[g/mol] x atomic% [mol %])/(全元素の(原子量 x atomic%)の和)x 100
oxide% = element% x [酸化物の分子量/(原子量 x 価数)]